MI理論は認知症ケアにも有益である
MI理論が認知症患者へのケアにも適用でき、効果を発揮しているというアメリカフロリダ州での実績報告が出てきました。これは大変画期的なことで、なぜならこれまでMI理論は子どもに焦点を当て、子どもの知能の多様性に注目することを謳ってきた考えであり、それが高齢者の生活の向上や改善にまで影響を及ぼすことが示唆されるようになったからです。
例えば、言葉によるコミュニケーションが困難で自身の意思を伝えることが出来ないために、認知症も尿路感染症も悪化した女性がいました。そこでMI理論に基づいた聞き取りや調査から元イラストレーターであり、視覚/空間的知能が高いと分かり、絵を使って情報を伝えるシステムを取り入れたところ、痛みや症状が軽減されました。
また、他にも元教師の女性は言葉を思い出せない症状になり人との交流を避けるようになっていました。MI理論による面談を通して、彼女が言葉を非常に愛していることが判明したことから、言語的知能に基づく活動(韻を踏む遊び、同義語を挙げる、ワード検索など)を提案し実行した結果、自信を取り戻し、コミュニケーションにも前向きになったということです。
このように、MI理論は人間の興味や強みを引き出すことで無限の波及効果をもたらし、人々の生活に進歩をもたらす力を持つのです。